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シリーズ「文京をゆく・その11」ー湯立(ゆたて)坂と銅(あかがね)御殿ー 第二回

さて前回銅御殿見学会までの時間を利用して、旧東京医学校本館まで足を運んだ筆者でしたが、
そろそろ見学会の時間も迫ってきたので再び湯立坂を上っていくことにします。

工事現場 
途中、左手に塀が取り払われた工事現場が現われました。

これが今、湯立坂と銅御殿の環境を破壊するとして
反対運動が起きている高層マンションの建設現場です。

特に危惧されているのは坂下から吹き上げるビル風により
銅御殿の母屋の庇が崩れる可能性が高いということです。

ここは元は銅御殿の敷地だったそうで滝もある素晴らしい庭園だったということですが、
なんらかの事情で手放した(相続税対策?)のでしょう。

条件闘争の反対運動ですが是非応援したいと思います。
守ろう

銅御殿は千葉の山林王と呼ばれた磯野敬氏が1912(大正元年)に
北見米造という21才の若き棟梁に設計から施工まで全てをまかせて建てた住宅です。

あかがね」御殿と呼ばれるのは銅葺きの屋根と壁が赤い光を放っていたからでしょう。
今はもちろん緑青色の落着いた佇まいです。

大門 
まず大門です。

節を落としただけの太い屋久杉の六本の門柱が優美な唐破風の屋根を支えている構造ですが、
関東大震災でもびくともしなかったそうです。

柱 
柱が屋根を支えているというより、屋根で柱を上から押さえている構造だそうです。

横柱 
どう組み合わせたのか……縦の柱より太い横柱


この門は普段開くことはなく
現在管理されている大谷家の人々が正月に集まる時などだけ開かれるそうです。

くぐり戸 
大事な大門ですので、今回は左側のくぐり戸から中に入ります。

かんぬき 
門の裏側には長い一本の閂で閉められています。
これほど長い閂一本で閉めている構造はめずらしいとのこと。

その構造の見事さなどから、
この大門は母屋などと共に国の重要文化財に指定されています。

砂利1 砂利2
邸内の道の砂利は河や海を見立てたものとのこと。

大きな石 
門を入ってすぐ右側の大きな石が。

磯野氏はこの石一つに
なんと現在の貨幣価値で一億円にもなる大金を投じたそうです。

この他銘木を求めて一山すべての木を買い取ったとか、
その豪放さには驚かされるばかりです。

能舞台を模したといわれる玄関(車寄せ)も美しく、
特にエンタシスの木柱は極めて優雅です。

エンタシス柱 
エンタシスの木柱。中央付近が少し膨らんでいる形になっています。

欄間
精巧な造りが施された欄間。

外燈 
大正ロマンを感じさせる玄関の外燈。

どれをとっても、当時の日本の建築技術が
いかに世界的にも優れていたかというなによりの証拠になるでしょう。

なお、ここから先、室内の見学は許されていません。

これは現在では修復のための材料も技術も少なく、
特に普通の畳の2倍の厚さの畳は修復不可能ということから無理からぬことでしょう。

よって、ここから見学者たちは母屋の横を通り抜けて裏庭の方へ向かいます。

建設反対 
さきほども触れましたが、この先はかつて、
銅御殿の敷地で滝もある素晴らしい庭園だったとのことです。

観音像
これは、建設時に地中から発見されたという観音像です。

つまり、この観音様は銅御殿とは関係がなく、
なんのいわれがあっていつからここに埋まっていたのかまったく謎なんだそうです。

隣でどんどん環境が壊されていく姿を
観音様はどんな気持ちで見ているのでしょうか……

なお、大谷家の親族がお集まりになるときには、
必ずこの像にお参りするのだそうです。

庇 
吹き上げるビル風により崩れる可能性が危惧されている母屋の庇。

これだけ日本の建築文化を今に伝えるすばらしいものを
高層マンションで壊していいものでしょうか?

すでに取り消し請求がなされていますが、
建設側は司法の判断も待たずに強行しているとのこと。

建設そのものを中止させることは法律上、難しいそうですが
一度、失われた文化遺産は二度と戻ってきません。

法律に違反していない、といってただ突っぱねるのではなく、
日本文化をどう次の世代につなげていくのか、という大局を踏まえた上で
お互いが納得のいく結論を出していただくことを強く希望します。

この問題についてさらに詳しく知りたい方は
湯立坂マンション問題を考える』へどうぞ。署名活動もされているそうです。

母屋裏 
室内は撮影不可ということなので、ここまで。

最後に母屋全体を
母屋1 母屋2



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