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「文京をゆく・その17」茗荷谷 第二回 ~切支丹坂はどこ?~

さぁ、前回予告した通り今回は茗荷谷の町をご紹介していくわけですが、
その前にひとつおことわりしなければならないことがあります。

実はこのたびの道のりは
以前、伝通院をご紹介した折のついでに立ち寄り、撮りためたものなのです。

よって、前回シリーズをご覧になっている方はおわかりでしょうが、
画像が右側を中心に多少不鮮明な部分があります。あらかじめご了承ください。
(天気も伝通院の時でしたから夏の空ではなくどんよりとしてますね……)

それでは、まずは伝通院前から出発して春日通り(この辺りは小石川台地の尾根道)を右に600mほど進みましょう。

茗台中学の横から谷に下ります。
茗台中学角 
一見、行き止まりにも見えますが……

ちなみに反対側の千川通りに下りる坂は以前、播磨坂編でもふれた吹上坂です。

元小石川高等小学校跡 
茗台中学元小石川高等小学校だったそうですが、
さすが文京区立といえる立派な校舎でした。

この学校のグラウンド入口前を右に折れると庚申坂の坂上です。

庚申坂1 
ご覧のように段差の小さい石段の坂道ですが、
下りる時はかなり危険で筆者も何度か躓きそうになりました。

庚申坂2 
時々、丸の内線が茗荷谷上の高架を通り過ぎていくのが見えます。

庚申坂案内 
庚申坂案内板。

この庚申坂を夏目漱石の小説(『琴のそら音』明治38)では切支丹坂と称しています。
明治時代にはこの坂は左右の鬱蒼とした樹木と相まって相当不気味な空間だったようです。

他に志賀直哉木下順二田山花袋などもここを切支丹坂として取り上げていますが、いずれも不気味さを伝えています。

庚申坂を見上げる 
下りきって振り返ったところ。なるほど、なにか出てもおかしくないかもしれません。

ただ、前述の案内板の記述によると、
東京名所図会」という書物に『この坂を切支丹坂というのは誤りなり』とあるそうで、
現在、庚申坂を切支丹坂と呼ぶのはちょっと無理がありそうです。

庚申坂トンネル1 
今では坂下のポッカリと黒い口を開けたトンネル(上は丸ノ内線と車両基地)も相まって冥界への入口のような不気味さを漂わせています。

このトンネルの辺りには昔小川が流れており、獄門橋あるいは幽霊橋と呼ばれていました。
そういった風景が文豪たちのイメージを膨らませていったのかもしれませんね。

では、「切支丹坂」とは本当はどこにあるのでしょう?

案内板によると『この坂の地下鉄ガードの向かい側の坂のことである。』とあります。

庚申坂トンネル2 
つまりは、この先が現在切支丹坂と呼ばれている坂になるようですね……。

ところで東京都内で「幽霊坂」と呼ばれている坂は
通称や別称を含めると数多くあるそうですが、
この切支丹坂も、別名幽霊坂とも呼ばれるようです。

なるほど、このトンネルは少なくとも夜中にはあまり通り抜けたくはないですね。

実は以前、ご紹介した湯立坂も別名「幽霊坂」と言われています。
今回の切支丹坂で2つの幽霊坂を体験したことになるわけですね。

文京区には他にも「幽霊坂」が存在します。
近日ご紹介する予定ですので、背筋を寒くして(?)お待ち下さい!

さて、話がそれましたが
切支丹坂 
トンネルを抜けたここが現在、切支丹坂とよばれている坂です。

しかし、本当にここが切支丹坂ということでいいのでしょうか?
なぜ、漱石をはじめとして多くの文豪たちは庚申坂切支丹坂と思い違いをしていたのでしょうか?

そもそも、なぜ「切支丹坂」と呼ばれるのでしょう?

実は、この坂上一帯が切支丹屋敷があったと伝えられる所なのです。

つまり、「切支丹屋敷の脇の坂」もしくは「切支丹屋敷へと通ずる坂」ということで「切支丹坂」なわけですね。

ところが、江戸時代に著された書籍の記述や地図の表記があいまいで不確かなこともあって、
「切支丹坂」の所在場所にはこのほかにも諸説あるのだそうです。

現在のこの坂あたりは江戸時代当時は開かれていなかったらしいので、
江戸の切支丹坂は別の場所にあったとも言えるわけですね。

坂学会切支丹(きりしたん)坂考」によりますと、6カ所もの説が上げられています。

これによりますと、「庚申坂=切支丹坂説」もあながち間違いとも言えないようで
なかなか興味深いです。

時代によって複数の「切支丹坂」が存在していた
というところが本当のところなのかもしれませんね。
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