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シリーズ「文京をゆく・その19」竹久夢二美術館・弥生美術館 第二回

竹久夢二美術館弥生美術館と併設という形になっています。

夢二石板 夢二表札 夢二美術館柱 
池之端方面から暗闇坂を上っていくと、
竹久夢二美術館」という文字がまず目に入ってきますが、

弥生美術館柱 
言問通り側から(こちらの方が一般的かも)ですと、
弥生美術館」としかありません。

そして、入り口の前に立つと……


弥生美術館正面 
弥生美術館と竹久夢二美術館
併設されている施設だということがわかる形になっています。

弥生美術館」はその名称から、
「弥生時代」の土器などを展示している美術館かと勘違いしがちですが、
もともとは弁護士・鹿野琢見氏の高畠華宵コレクションを公開すべく創設した施設です。

今では、挿絵画家をはじめとして、
挿絵・雑誌・漫画・付録などの出版美術をテーマにした企画展を開催しています。

雑誌の挿絵や付録などは、
その文化的価値が今よりも重要視されていなかったものも多いでしょうし、
紛失してしまったものや詳細がわからないものもあるでしょう。

そういった意味でも大変貴重な美術館ではないでしょうか。

弥生美術館案内 
弥生美術館・竹久夢二美術館は館内でつながっており、一緒に鑑賞することができます。

なお、案内の右下にあるように、館内は撮影禁止となっております。
(フラッシュ等で貴重な展示物が劣化したり破損する危険性もあるからでしょう)

夢二美術館チケット 
チケットも弥生美術館、竹久夢二美術館共通です。

SF大図鑑ポスター 
この時「弥生美術館」で開催されていた企画展、「昭和少年SF大図鑑 展」。

筆者のこの日の元々の目的は「竹久夢二美術館」だったのですが、
こちらのテーマもとても興味をそそられましたね。

先日、小学館の学習雑誌「小学五年生」「小学六年生」が休刊するというニュースがありましたが、
かつては、多くの少年向け雑誌が子供たちの楽しみの中心であった時代がありました。

「少年」「少年クラブ」「ぼくら」「冒険王」等々……
「少年サンデー」「少年マガジン」もマンガだけではなく、絵物語などを載せていた頃。

そこには決まって「口絵」や「巻頭特集」などで「未来予想図」がありました。

小松崎茂中島章作南村喬之といった挿絵画家による、
ダイナミックで想像力をかきたてられる「未来都市」「未来の生活」「宇宙開発」といった世界に
心躍らされた人も多いのではないでしょうか。

展示室では小松崎茂氏をはじめとする代表的な挿絵画家の原画や
昭和20年代から40年代までの雑誌の付録、戦前のSF作品など
今見てもわくわくするような代物が数多く展示されており、誰もが小学生のころに戻れる空間でしたね。

面白いのは昭和20、30年代には
「空飛ぶマイカー」「家事をやってくれるロボット」「人口太陽で夜を照らす」など、「バラ色の未来像」が紙面をかざっていたのが、

昭和40年代に入ると、
「コンピューターが人間を監視」「隕石衝突で地球上の生物が滅亡」「地球を脱出して宇宙をさまよう」といった「暗い未来像」が多くなってくるんですね。

高度成長期を経て、公害や環境破壊などが社会問題になってきたことが
こうしたところでも形になって現れていて、とても興味深かったです。

さて、昭和少年SF大図鑑 展は弥生美術館の1、2階で行われていましたが
3階は普段、高畠華宵常設コーナーになっています。

ここでは大正から昭和にかけて、リアルなタッチの美少年美少女を多く描いてきた
挿絵画家・高畠華宵の魅力を堪能できます。

このときは古代から昭和までの女性の風俗画を中心に展示されており、
特に春夏秋冬四季折々の“モガ”スタイルを大きな絵巻で表現したものには圧倒されました。

昭和初期当時、「モガ」には外国かぶれの“あばずれ”的なイメージがついてしまっていたようですが、
もともとは清楚で粋な女性のスタイルを指す言葉であったことが、
高畠華宵氏の絵ではっきりと伝わってきてとても感動いたしました。


……というわけで、
ほうっておくといつまでも見ていられるほど、楽しい挿絵の世界「弥生美術館」ですが、
そろそろ本来のお目当てである、「竹久夢二美術館」に移りましょう。

併設されている「竹久夢二美術館」は渡り廊下で「弥生美術館」とつながっていて、
一緒に自由に観覧できるようになっています。

なぜ、ここ東京・本郷に「竹久夢二美術館」かと言えば、
夢二が滞在した『菊富士ホテル』がかつてあり、また最愛の女性、笠井彦乃と逢瀬を重ねた場所だから、ということのようです。

菊富士ホテル跡は以前、菊坂の回のときに紹介しましたね。

今回は竹久夢二生誕125周年ということで、
『生誕125年 知られざる竹久夢二展~意外な素顔から、初公開作品まで~』と銘打って、
いままであまり紹介されていなかった夢二のめずらしい一面が紹介されていました。

夢二と言えば「美人画」が有名ですが、
実は本当に多才な人で今で言えば“マルチクリエイター”的な存在でもあります。

展示室では“コマ絵家”“画家”“デザイナー”“装幀家”“雑貨店経営”“詩人”“童話作家”“俳人”といった様々な顔を持つ『竹久夢二』という人間を、
肩書き別に分けて多角的にその人間像にせまる、といった形になっていました。

多くの肩書きを持つ竹久夢二ですが、展示室最後のテーマは“人間”竹久夢二、となっていて
夢二の生涯を語る上で欠かすことのできない、
他万喜」「彦乃」「お葉」の三人の女性との関係を中心に遺品などが公開されていました。
(本邦初公開となる貴重なものも多かったと記憶しています)

夢二の描く『美人画』、歌にもなった有名な詩『宵待草』
なぜこれらがあまりに儚くも美し過ぎるセンチメンタリズムに満ちているのか
よくわかるいい企画展だったと思います。

筆者はやはり、『グラフィックデザイナー』の草分けとしての夢二に一番惹かれますけどね。

なお、館内には『ミュージアムショップ』として、
夢二・華宵の各商品や図録、書籍といったものを販売しています。
通信販売も行っているようですよ。

特に竹久夢二はしおりやハンカチ、便せんなどのデザイナーでもあるので
グッズ関連でもきっとお気に入りのものが見つかると思います。

昭和少年SF大図鑑 竹久夢二デザインブック 
筆者も書籍を購入。

今回の弥生美術館の企画「昭和少年SF大図鑑 展」の図録は、
アマゾンや各大型書店でも扱っているようですし、
竹久夢二、高畠華宵に関する書籍も多数出版されています。

興味のある方は是非!

少女の友ちらし 
そして、現在弥生美術館では、
『日本で最も愛された少女雑誌「少女の友」展』と『安野モヨコ展 レトロモダンな世界』が
開催されています。(12月23日まで)

『少年』から一転して『少女』というわけですね。

こちらも一度、足を運んでみたらいかがでしょうか。

港屋 港屋メニュー 
美術館には『港や』というカフェがあります。

『港屋』といえば、夢二が日本橋呉服町に開いていた
自らデザインした日常生活の品々を扱う店「港屋絵草紙店」と同じ名前、
なんとも洒落ていますね。

SF大図鑑限定メニュー 
このときは「昭和少年SF大図鑑 展」開催記念限定メニューとして、
『宇宙ステーションタコライス』(1,100円)
『空飛ぶ円盤スイーツ』(ドリンク付900円)があったようです。

もちろん、今は扱っていないはずなのでご注意を。



なお、竹久夢二美術館・弥生美術館の理事長であられた鹿野琢見さんが
今月23日にお亡くなりになられたそうです。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

すばらしいコレクションを公開していただき、本当にありがとうございました。
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